君が思っている以上にぼくは脆い



登場人物・・・真弥(まや)、瞬(しゅん)

 



さっきまでのイチャイチャぶりはなんだったのだろう。


それはほんのささいなこと。

ちょっと僕が真弥にもらったジュースを飲みすぎただけのこと。

それが真弥の大好きなジュースだったからタチが悪いのだけれど。
  

「瞬なんか嫌い!」

「真弥……そんなこと言うなって」

「嫌いだもん! あっち行ってよ!」


僕の彼女、真弥は、はっきり言って精神的に子供である。

思ったことをずばずば言うし、感情の起伏も激しい。

他人に言わせれば、『可愛いけど付き合ったら大変』な女のコだ。


そんな彼女と付き合う僕は、ダメ男なのかなんなのか。

だけど、彼女ナシでは生きていけないのも事実。


そっぽを向いた真弥は、なくなりかけたジュースを最後まで飲もうと必死だ。
もうジュージューいっているし、中身は無いのだろう。

「ごめんって」
返事はない。きっと目には涙が溜まっているんだろう。
真弥は泣くとき無口になるから。


ねえ、嫌いなんて言わないで


君の一言で僕の人生が変わるんだから


君が思っている以上にぼくは脆いのだから


「もう……別れよう!」

ほら、すぐこれだ。

嫌なことがあると。

ちょっとでも上手くいかなくなると。

すぐ、『わかれよう』と言って。

解ってる。君は僕を試しているんだってこと。


だけど、君のことを大好きな僕にそんな残酷な仕打して。


さっきも言っただろう、僕は君が思っている以上に弱いんだ。

 

「……わかった」

 

君から逃れたかった

こんなに僕を惑わせる君から

 

しかし、真弥の反応はもっと僕を惑わせた。

 

なぜ自分から言い出したくせに

そんな泣きそうな顔をしているの?


「や…だ……そんなこと言わないでよ……!」


なぜ泣いているの?

君が言い出したんじゃないか


「瞬……っ」

「……嘘だよ」

僕は泣き出しそうな真弥を、すっと自分の方へ引き寄せた。
僕の胸に顔を埋めて「ごめんね」と呟く真弥。

ああ……やっぱり、好きだ。
嘘ついてごめん。


僕は思っているよりずっとずっと弱く、脆い


だから、君と離れるなんて最初から無理なんだ


君を失うときは


僕が死ぬとき

 

離れないで ずっと傍にいるから














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作品提供@空頼 月和さま